あたたかい、あたたかい灯が心にともります。
全文を掲載します。どうか多くの方々にお読みいただけたらと思います。
夜間定時制高校の先生、三井良介先生の文章です。
「タミさんは今年80歳。3年前に入学してきた。彼女は学校行事にはすべて参加している。授業も休まない。
しかし、何と言っても80歳。最近は階段を上がるのがつらいようで、障害者用のエレベーターを使っている。耳が遠く、会話があまり成り立たない。そのタミさんが沖縄修学旅行に参加した。
旅行当日、タミさんは若干よたよたしながらも、朝9時前に羽田に到着した。それを見た40代半ばの男性の担任は、「タミさん、よく来られましたね!」と言いながら彼女の両手を取った。
沖縄について2日目、ひめゆりの塔に到着。資料館を見学する。
タミさんは資料をじっくり見ながら歩く。ひめゆり学徒隊で亡くなった女子学生は、タミさんと同世代。彼女らの顔写真を見ながら、さまざまな思いが胸に去来したのだろう。近くにいた「クラスメート」たちにその思いを語っていたようだ。
そのクラスメートたちはまだ18歳。タミさんのひ孫でもおかしくない。
しかし、そのクラスメートたちがまたエライ。タミさんの話を聞きながら、しっかりエスコートしている。荷物を持ってあげたり、手を貸してあげたり・・・みんな優しいね。
3日目。カヌー体験というのがあった。2人1組になりカヌーをこぐ。何人かの生徒が、「体調が良くない」などの理由でキャンセルする中、彼女は果敢に浮き具を身につけ、カヌーをこぎ始めた。相手のこぎ手は担任の先生である。心温まる光景であった。
タミさんは、最終日の体験学習でも、黒糖作りに挑戦。終わると次はガラス玉作りに。見るとバスガイドさんが彼女の傍らにぴったりと寄り添い、作成を手伝っている。
タミさんの行動が周りの人に感動を与え、そして人間の輪が広がっていく。定時制ならではの奇跡。
羽田に着くとまた、ひ孫のようなクラスメートに付き添われて、バスに乗ってタミさんは帰っていった。」
・・・ いかがです?
人と人がかかわる温かさが、水面に広がる波紋のごとく広がっていきます。私たちの普段の生活の中にあっても、こういう温かさをつくっていきたいと思っています。
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